ゲル布のこと
ゲルの布は
染め職人ハラマサキ君に
お願いして染めて貰っています。
陣馬山と伊那谷二ヵ所の山に囲まれた工房で
マサキくんと奥さんの香苗ちゃんが
生み出す【山ノ音光(ヤマノネコウ)】 の作品は
私も愛用させて頂いています。
今回はゲルの布。
そもそもゲル用の特殊な布に
伝統的な藍染めや柿渋を施そう!
という人がおそらく世界中探しても
他にいないので・・・
頼んだ私たちも
頼まれたマサキ君も初めて。
染物には難しい素材の布を
しかもかなり大きいサイズの布を
全て手作業で染める。
本当に気が遠くなるような作業なのですが
染め職人のプライドをかけて
彼は引き受けてくれました。
今も染めと布と戦ってくれています。
※これからここに載せる内容は
彼とのメッセージでのやりとりの一部です。
6月5日
竹ひごの先に針がついている伸子を使って
布を軒下に吊って、柿渋染め開始。
6月20日
乾いた生地に染めると、ムラになるので
生地をよく濡らして
柿渋は、原液ではなく
薄く希釈したものを
何度も重ねながら
濃度を調整します。
乾いていない状態で太陽光にさらすと
ムラになるので日影で乾かします。
太陽光に何週間も、晒すと
色が濃くなる。
外で使うものだから、
色の変化みながら
10回くらいは重ねようか。
辰野は、標高840メートルで
陽射しがつよく
柿渋もよく反応してくれてます。
薄めの柿渋7回重ね
赤が強い柿渋色になってきました。
ただ、太陽光当たりっぱなし、排気ガス、雨を考えたら
どんなに濃い柿渋も、日焼けで薄くなるので
八回目から、お羽黒液で媒染して染めています。
鉄媒染の方が太陽光に強くカビにも強いのだけど
色が重い印象になるので
柿渋の色をそこなわず
白生地、藍生地とバランスらがあうように
焦茶色に仕上げています。
柿渋7回の色
赤褐色で良い色だけど、
木材など過去に塗装したとき、段々薄くなったので、この、焦茶さらに柿渋重ね
最後は、濃い柿渋で幕を貼ってあげます。
濃い色最初からやれば早いけど
幕が強いとそこから割れができるのと
薄い柿渋を重ねたほうが
より美しく、より柔軟に強い生地に、仕上がり
幾重にも重ねた、柿渋の層が大事なので、
手間と時間を大事に染めています。
陣馬は山からの湧き水は
カルキも少なく軟水なので
とにかく洗い、すすぐ、うちの染めのやり方には
とても経済的で、水自体も藍にばっちりなんだけど
この雨不足のせいで断水。
すすぎ命の藍染め作業ができずにいます。
恵みの雨を待ちつつ今できる、柿渋作業をしています。
お日様の力、必要だし
天からの雨も必要
どちらも必要
不便より、有りがたさがまし
喜びがおおいよ。
ほんとに、
面白いね
6月22日
昨日の雨で3日ぶりに蛇口から水がでました。
天の恵み有り難い。
ただ、まだ心配なので藍染めはストップしてます。
今日は、曇りで柿渋日和なので
午後柿渋やってました。
鉄媒染液と柿タンニンが結合して
なんとも、いえない
深く肉厚で美しい
染めになってきた。
柿渋で固くなっているんだけど
不思議と柔らかさを感じる布になったよ
まるで、
生き物の皮膚のような
植物の樹皮のような。
左の柿渋+オハグロ液は合計13回
右の柿渋のみは5回。
よく、考えりゃ
綿と柿。
そこに、鉄が入って
より生命力が入る。
おもしろいね。
5行が全部入っているのもなんかいいよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
東洋医学の五行論では
木火土金水すべてが揃うと
気がスムーズに流れると考えます。
想い、愛、エネルギー
全てが込められていて
なんとも有難い。
松戸の岩島ゲルには
全てストーリーがあります。
ゲルのパーツ1つ1つに
職人さんの技術と想いが込められています。
ただのコミュニティースペースではなくて
どうしてもそうしたかったのです。
このブログのカテゴリー【@ゲル】に
今までの過程を載せていますので
良かったら読んでみて下さい。
これからこのゲルが
皆さんに愛されて、末永く利用して頂けることを祈って
今、ゲル設営準備作業を行なっています。
当初の予定より時間はかかっていますが
私たちはこの手間とかかった時間は決して無駄ではなく
必要な時間だと思っていますので
楽しみに待っていて下さい。
きっと見たことのない
体感したことないスペースが
出来ます(*^-^*)
そして
いよいよ来月再始動します。
ゲル作業日程決まりました。
★9/22(金)~9/24(日)
★10/7(土)~10/9(月)
※10/9(月)祝日 体育の日(午後~)
ゲル設営イベント開催します。(遂にゲルのパーツを組み立てて設営です!)
次の投稿でもう少し詳しく告知致します!
お楽しみに!